皆さんはアスリートがノートをとることをご存じでしょうか?アスリートが活躍する背景にノートを書くという共通点があります。彼らは日々の練習と同様にノートをとることをとても大切にしています。なぜノートをとるのか。ノートには具体的にどんなことを書いているのか。書くことによってどんな効果がもたらせられるのか。今回は、アスリートたちが実践していたノート術についてご紹介していきます。
“勝つためのノート術”スポーツとノートの関係!!
アスリートに重要なのは、本番で十分な力を出し切りベストパフォーマンスを実現することです。アスリートは少しの感覚のずれや、メンタルの状態、様々な状況によって力が発揮されないことがあります。そこで「ノート」に今の自分を書き出し、どんな時にどのような状態であったかを書き留めておくことがとても重要になります。ノートを書くことで自分と対話し、競技に対する主体性が磨かれていきます。
では、アスリートはノートをどのようにして活用しているのか?深掘りして紹介していきます。
“勝つためのノート術”トップアスリートは必ずと言っていいほどノートを使っている!
特に有名なのが羽生結弦選手の「発明ノート」や、アメリカリーグでMVPを獲得した大谷翔平選手の「マンダラチャート」です。彼らは悪かった時に何を考えるか、今後どうすべきか。それらを文字で書くことによって意識付けをしていました。
【発明ノート】
羽生結弦選手は、毎日のように、練習で気になったことや思いついたことを殴り書きしています。スピード、タイミング、感覚。自分が試してみて良かったことと悪かったこと、疑問点などを書いています。そして翌日リンクに立った時、ひらめきをためし、その成果をまた書き込む。就寝前のイメージトレーニングを書き出す。人に見せられるほどのきれいな字では書いていない。それが羽生結弦選手の発明ノートです。
【マンダラチャート】
これは仏教で登場する曼陀羅模様を目標達成に応用した技法です。強い目標を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込むためにシートです。大谷翔平選手は高校生1年生の時に「ドラフト1位で8球団から指名される」ことを一番の目標に掲げました。そのためには「体づくり」「メンタル」「人間性」「運」など、その目標を達成するためのアクションプランを周囲81マスに細分化して書き出しました。
その他にも大谷選手は野球日誌を書いていて、その日の反省、明日への決意、今後どういう選手になりたいのか、目標の選手、絶対に勝ちたい選手など具体的、かつ目標も明確化していました。大谷選手は「自己管理という面で一番大事なのは毎日の反省だと思っています。日誌は間違いなく自分を成長させてくれるものです」と野球日誌の重要性を語っています。
アスリートがノートを使う理由!!
アスリートがノートを使う理由には、しっかりとしたわけがあります。それは何かというと・・・
◎分析
試合の結果を記録すると同時にそこから気づいた相手の特徴、癖、自分の反省点を書き出し次の練習に向けての準備や対策をとることができる「分析記録ノート」を書きます。
◎客観的な視点
指導者からの助言を書くことで、自分では気づけなかった点や改善点に気づき理解してから実行に移せるように「客観視ノート」を書きます。
◎対応能力の向上
スポーツでは一瞬一瞬の判断が必要になります。普段から自分がその時感じた疑問や悩みを言語化し具体化することを習慣づけていればプレー中の思考も素早く要約し判断することができるようになるために「疑問・悩みノート」を書きます。
◎体調管理
その日の自分の体調や体の感覚、違和感を書くことでオーバートレーニングやケガを防止することにつながるので「体調管理ノート」を書きます。
この様にアスリートはノートに書き込んでいて、見返すことを繰り返し行うことで以下の効果をもたらしています。【モチベーションの維持】多くのアスリートが壁にぶつかることがあります。そのたびにノートを見返すことで初心に還ることができ、今までの努力が目標達成のためのモチベーションになります。【記憶の定着】人間の脳は忘れやすいといわれています。エビングハウスの忘却曲線という研究結果からも人間の脳は20分後には42%も忘れていることが分かっています。ノートに書き留めることで記憶に残り、小さな気づきにも忘れないようになります。【囚われからの解放】頭の中で考え続けることをノートに取り出すことで、気になることへの執着や心が囚われた状態から自分自身を開放してくれます。
と、言われています。
“アスリートのノート”まとめ
いかがでしたでしょうか?1つ1つに意味をもたらし、自分を整えるそんな“アスリートがノートをとる理由”についてご紹介しました。アスリートは練習だけでなく、心身のコンディションを整えるためのツールとしてノートを活用しています。忙しい日々の中では、その時強く感じたことも目先のことに紛れていつの間にか忘れてしまうことが少なくありません。今日の自分と向き合うため、目標を達成するための大切なツールとして、皆さんもアスリートノートの様に“ノート”を活用してみてはいかがでしょうか?
メモ帳ではなくなぜノートなのかは別記事を見てください。ノートのこと書いています。